クリスマスに泣かないように

「大体二日間、争った」


「そんな家絶対に帰りたくないわ」


「子供とかいないのが幸いして、ようやく許してもらえた。
で、離婚とか家とかの書類に東奔西走するのにも二日間。
しばらく会社行けなかった」


ああだから、会わなかったのか。


「もう、本当に疲れたよー」


おどけたように笑って、抱き締めるのを強くされる。

彼のぬくもりが強くなる。



「…なんでもっと早くリエちゃんに会えなかったんだって、何回も思った。

ツマに出会う前にお前が現れてくれてたらって、本当に何回も何回も後悔した。


…でも、まあ、こうしてると落ち着くし、もうなんでもいいや」


嬉しそうに言われて、なんだか涙が出そうになる。

ずるんと私も違う意味の鼻水をすすって堪え、頑張って毒を吐いた。



「サイテーだね、私たち」



「本当、サイテーだよな」


調子よく返してくるのが、心地よいと思った。


「クリスマスに泣かないようにしようって、あの時期に別れ話したのにさ。
結局泣かせられるんだから、私の努力返せよバーカ」



< 29 / 30 >

この作品をシェア

pagetop