クリスマスに泣かないように
「大体二日間、争った」
「そんな家絶対に帰りたくないわ」
「子供とかいないのが幸いして、ようやく許してもらえた。
で、離婚とか家とかの書類に東奔西走するのにも二日間。
しばらく会社行けなかった」
ああだから、会わなかったのか。
「もう、本当に疲れたよー」
おどけたように笑って、抱き締めるのを強くされる。
彼のぬくもりが強くなる。
「…なんでもっと早くリエちゃんに会えなかったんだって、何回も思った。
ツマに出会う前にお前が現れてくれてたらって、本当に何回も何回も後悔した。
…でも、まあ、こうしてると落ち着くし、もうなんでもいいや」
嬉しそうに言われて、なんだか涙が出そうになる。
ずるんと私も違う意味の鼻水をすすって堪え、頑張って毒を吐いた。
「サイテーだね、私たち」
「本当、サイテーだよな」
調子よく返してくるのが、心地よいと思った。
「クリスマスに泣かないようにしようって、あの時期に別れ話したのにさ。
結局泣かせられるんだから、私の努力返せよバーカ」