クリスマスに泣かないように
「バカじゃないの…?あんた、オクサンだよ?ツマなんだよ?ただの同僚なんかを取ってさ、バカすぎる」
「…リエちゃんは嬉しくないの?」
困ったように首を傾げる彼。
きっと私の答えがわかってんのに。
「嬉しくないわけないじゃんっ…ただ、バカすぎるだけだよ!」
それが合図のように、彼はボストンバッグを飛び越えて。
私を腕の中にしまいこんだ。
寒い外気と違い、暖かさに包まれる。
急騰室ではあんなに怖かったのに、今はこんなに落ち着くのが不思議だった。
「すんげー、抵抗されたの。ツマに」
掠れた声に、トクンと心臓が暴れだす。
内容最悪なのに、私の心臓はとんだバカ者だ。
「…何してんだろ俺って思ってさ。でも泣き崩れるツマに罪悪感とかわかなかったんだ。
サイテーだよな、俺」
「サイテー…っ」
「ははっ、お前に言われると傷つくわ。でもまあ、心地よいものじゃなかったよー…」
泣き崩れるツマを見て、心地よいって思うやついたらドン引きするわ。