【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~

さなを捕まえたまま視線を交える。





1度下を向いて

顔を横に背ける



「なあ。その。

つきあわねぇ?」


なにいきなり告ってんだろ。

悠貴に先越されそうで焦ってんのか?



「ごめん。

聞こえなかった。


なに?

もう一度いって?」





ハァー

もう一回言えと?

信じらんねぇ

二度もさせるとか。


「俺の女になれっつたんだよ。

付き合わねえかって、きいてんだ」


言わせておいて

固まるさな





「嫌なのか?」



と、聞くとさなは




顔を真っ赤にして


首を振って返事をした。



「いいんだな。」




確認すると


ただ、何回も頷いた。

やべぇ、かなり顔に熱を感じる








さなの手をとって


歩き出す。


顔を見られねぇように

先を歩く





さなの手が強く握り返してくる。







バスに乗ると、朝と同じように隣に座る。

手だけはずっと繋いでいたが無言だ。







でも、この静かな時も割と気に入っている。


こいつとの、新しい時間が楽しみだ







Side 涼 




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