コトノハの園で


外へ出る際、カウンターで作業する森野さんを見ることができた。それだけで、私は相変わらず心躍る。


意気込んで仕事に戻ってくれるその姿がとても好き。


私が加わっても、割くべき時間をちゃんと振り分けて、日常を変わらずに生きてくれる姿勢が好き――悲しいかな、それが不可能な大人もわりといる。私は流されやすいから、凛とした森野さんでいてくれて、すごく心地いい。


僕が僕がとすぐに落ち込むけど、ずっと悩んでいたんだから、まだ躊躇うのは仕方のないこと。


ゆっくりでいいから。


気にしなくてもいから。


ちゃんと距離を縮めてくれているのは充分感じてる。


ほら、こんなに幸せなことだらけなんだから。


森野さんも、私でもっともっとそうなってくれればいい。


もっとずっと幸せでいてくれたら、もっと離れたくないって、思ってくれる? なんて、正反対のことも考えてしまう。


今、頷いてくれるのは、きっとそう。


だから私は、その場であぐらをかくことなく、永続の努力をするんだ。





今夜は満月。あの日と同じ。


二度目に好きだと告げた、好きだと言ってもらえたあの夜と同じ。


明るいあかるい月明かりの下。


まずは、何から話そうか。









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