コトノハの園で
――……、
「――さあ……ね……?」
嘘は言いたくない。
けど、この気持ちを一番に口に出す相手は、桜ちゃんじゃない。
だから、曖昧に返事してしまった。
「……フンッ。オトナって、すぐ言葉を濁すんだからっ」
「桜ちゃん、私をオトナだって言ってくれた第一号だよー」
「なんか……つまんないっ」
へそを曲げてしまったらしい桜ちゃんは豪快に立ち上がり、別の飲み物を注文しに行ってしまった。
「……、――」
ひとりになると、物思いに耽ってしまう。
桜ちゃんの……バカ……。桜ちゃんの、せいなんだから。
それは本当。けど、ほんの少し、心を揺さぶられただけだけど。
そんな些細なことで加速する気持ちを必死に抑える。
――森野さんに会いたくてたまらない――
そんな、気持ち。