コトノハの園で


無理をされるのはいただけないけれど、相手のことを想い考えてくれた行為というのは、とても心が柔らかくなる。


「透?」


「っ!? ああ、ごめん。考え事をひとつ」


それは、健人にしろ、伊達さんにしろ、僕と係わろうとしてくれる人、全て。


「あの子には普通だな、桜ちゃん」


「そりゃあ、子どもにまでは」


「――そっか。ってか、先生みたいだったけどな」


「選択肢にはあったね」


「それも似合ってるけどな。――それよか早くメシ行こうぜ。今日逃すとオレはもうずっと忙しいんだ」


健人の店では着付けもやっているらしく、毎年この時期以降からは忙しそうだ。


「グチとか悩みあるなら出しとけよ。透は溜めると病むからな。それはもう勘弁だ。オレの天使の優しさに感謝しろ」


もうあの時みたいに僕はならないと思う。けれど、こうして心配させてしまうのはずっと変わらないのか。それとも、やっぱり、僕がまだ変わっていないのか。


それは正直分からない。


でも、大丈夫だと思うんだ。


「……透?」


道すがら、黙ってしまった僕の肩を健人が揺らす。


「ごめんごめん。――もういいんだ。全て解消。だから、今日は本当に健人たちの祝いをしよう」


少なくとも、健人に問われたことにはケリがついた。


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