コトノハの園で
私は――
「森野さんと一緒の時間、同じ空間にいることができて幸せでした。包容力の大きさに唖然です。やっぱり、大人には敵いません」
「っ、そんな……。訂正をさせてください。僕にとっても、とても進歩の時間でした」
森野さんが何よりも優しく笑ってくれた気がした。それはなんて――。
「まだこんな距離に怯えて、まともにこっちを見ていられないのに?」
静かに、
「――はい。それでもです」
確信を持って、頷かれてしまった。
「プレゼントがあります」
「…………えっ?」
「……チョコレートのお礼も出来ていないですし、感謝の意も込めて」
森野さんが背中に隠していた何かを取り出した。
そして、ベンチから立ち上がる。
ぎこちない足どりで、一歩踏み出す。
努力は丸見えで、私に近づこうとしてくれていた。