大嫌いなアイツの彼女になりました。





「それはそうだけど……」


 けど、やっぱり放っておけない。




「……きっと、双葉ちゃんは相馬くんのことが大好きなんだよ。だから、あたしに食って掛かってたんだよ。お兄ちゃんが幸せな恋が出来るように……って。」


「……純香ちゃん」


「確かに、やり過ぎだと思う。あたしだって好き勝手に言われてムカついたし、負けて悔しかった。でも、一方的に双葉ちゃんを責めることは出来ないよ。」


「……けどっ」


「……相馬くんが庇ってくれて、嬉しかった。でも、あたしはあんなに怒鳴らなくても良かったと思う。」


「…………。」


 望月相馬は目線を下に移した。


「……ごめんね。でも、あたしのこと思ってくれて、ありがとう」

 あたしはそう言って微笑むと、部屋から出て行った。

















~相馬side~



「ありがとう」

 そう言った純香ちゃんは、部屋を出て行った。



 ……驚いた。

 まさか、ここまでお人好しだとは。


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