大嫌いなアイツの彼女になりました。
けど、それが純香ちゃんだ。
……俺は、ふっと笑みを零した。
~純香side~
「……ここかな?」
いや、絶対ここだ。
二階に上がるなり、あたしはすぐに双葉ちゃんがいるであろう部屋を見つけた。
ドアの所に<双葉の部屋>と書かれた木のボードが吊るされているし、中から微かに泣き声が聞こえているからだ。
「トントントンッ」
ドアをノックするが、返事は返ってこない。
「……ふぅ」
小さくため息を吐いた後、手に持っていた荷物を床に置き、ゆっくり部屋のドアを開けた。
「……やっぱり」
双葉ちゃんは枕を抱きしめながら座り込んでいて、枕に顔を埋めながら泣いていた。
「……ヒック、ヒック」
「あのー、双葉ちゃん?」
「っ……」
声をかけると、双葉ちゃんの肩が小さく揺れた。
あたしは双葉ちゃんの顔を覗きこむように、双葉ちゃんに向かって一歩踏み出す。
すると、双葉ちゃんがゆっくりと顔を上げた。