大嫌いなアイツの彼女になりました。





 邪魔って、少し傷つくんだけどなぁ。

 そう思って、苦笑いした。



「……だから、小さい頃から純香ちゃんを敵対視してたの。強く当たったり、我が儘言ったりしてたのも全部それが理由」


「…え、あれってわざとだったの!?」


 さらっと双葉ちゃんの口から出た言葉に、驚きが隠せない。


 なのに、双葉ちゃんはまたもさらっと、

「当たり前じゃん。わざとだよ。」


「嘘……」


 相手をするのはとても疲れたけど、まだ小さいから仕方ないって諦めていた。

 なのに、それがわざとだったなんて……


 七年後にして初めて知った、双葉ちゃんにされた数々の我が儘の真実。


 幼い時の記憶が狂い始めている。




「……話、戻していい?」


 ショックを隠し切れないあたしを見つめる双葉ちゃん。


 頭はまだ混乱しているけれどあたしは、

「ど、どうぞ……」

 と言った。




「そして再会した時、驚いたよ。純香ちゃんがお兄ちゃんの隣にいることも、二人が付き合ってることも。……また、取られちゃうんじゃないかって不安になった。」


「……だから、意地悪したんだ?」


「うん……ごめんなさい」


 双葉ちゃんは視線を落として、本当に悪かったと言うかのような表情を見せた。


 だからあたしは、安心させるためにニコッと笑って、

「気にしてないよ」

 と言った。





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