大嫌いなアイツの彼女になりました。
一方男子は、
「うわぁ、恐いな」
「でもモテモテだよな、ずるっ」
「よせよ、絡まれたくないだろ」
なんて、少し引き気味。
だけど教室中が騒がしくなっていた。
そしてみんなある一点を見つめている。
あたしはいきなりみんなが騒がしくなったことが不思議で、ゆっくりとみんなが見ている教室のドアの方に視線を送った。
「えっ……」
そこには、望月相馬がドアに寄りかかって教室を見渡している姿があったんだ。
望月相馬は教室を見渡している時にあたしを見つけたようで、あたしをじっと見つめるとニコッと笑った。
そしてドアに寄りかかっている背中を起こして、
「純香ちゃんっ」
少しずつあたしに近づいて来る。
あたしは自然と一歩後ろに下がっていた。
けれど、たった一歩じゃ近づいて来る望月相馬と距離を取ることは出来なくて。
望月相馬はあっという間にあたしの目の前に来てしまった。
そしてもう一度微笑む。
その瞬間、クラスが今までで一番騒がしくなった。
「キャーッ!」
「二人ってどんな関係?」
「純香ちゃん狙いだったんだぁ」