大嫌いなアイツの彼女になりました。
そんな声が耳に届いて、恥ずかしくなる。
目立つの嫌いなのに……。
「久しぶりだね、純香ちゃん」
だけど望月相馬はそんな声なんて興味がないようだ。
「な、なんでここに……?」
自然と口から零れた言葉だった。
沢山聞きたいことはあるけど、これが一番聞きたいことだったからそう言ったのかもしれない。
望月相馬はこの状況を中々受け入れられないあたしとは違い、ニコニコ笑っている。
「だって、始業式の時2-Dって言ってたじゃん」
「ああ……そっか」
そういえば、スピーチの後に学年と組を言った気がする。
少しずつ落ち着いていくあたしの心。
そしてやっと今の状況を理解して、あたしは別の意味で驚いた。
「ど、どうしてこの学校にいるのよ!」
体育館でもそう思ったけどやっぱり不思議で、あたしは少し声を荒げた。
望月相馬はそんなあたしを不思議そうにしばらく見つめた後、ふふっと吹き出した。
「だって俺、ここの生徒だもん」
そして手を大きく広げると、制服を強調させながら「ねっ?」と言う。
あたしはその制服を見て、また驚く。
確かに、ネクタイは緩く巻かれているしネックレスもしているしズボンにもなんかついているし、校則なんてあったもんじゃないけど一応あたしの学校の制服だ。
「ほ、ほんとだ……」
「でしょ?じゃ、行こっか。純香ちゃん」