ショータロー☆コンプレックス
「ああ。『金と引き換えに母親と会わせろっていう事かっ。君がそんな女だったなんて!』とか何とか言ってキレたらしい。それまで男の荒々しい声なんか耳にした事がなかったので驚いた反面、Aさんはかえって冷静になったというか、ようやく、男に対しての疑惑や不信感が芽生えたんだな」
「はぁ~、そこでやっとか~」
オレはそれまで無意識に前屈みになっていた体をシートに預け、深々と安堵のため息をついた。
ホントに、寸での所で我に返ったんだな。
まったくもう、Aさんてば。
赤の他人のオレを、こんなにもやきもきさせやがって。
「男はおそらく、わざとキレてごまかして、Aさんが慌てて追い縋って来るように仕向けたつもりだったんだろうけど、その作戦は見事に失敗したってワケだ」
「もしかしたら、過去にそういう手法で成功した例があったのかもしれないですね」
だけど彼女には通用しなかった、と。
我らがAさんを甘く見るんじゃないっつーの。
「Aさんは『何故そんな風に言われてしまうのか分からない。親しき仲にも礼儀ありで、決して安くはないお金を貸し借りするのだから、お互いに真摯な気持ちで臨まなくてはいけないのではないか』と切り返したらしい」
「ふんふん」
「そして『それを不満に感じるというのなら、今回の話はなかった事にさせてもらう』ときっぱりと宣言した」
「はぁ~、そこでやっとか~」
オレはそれまで無意識に前屈みになっていた体をシートに預け、深々と安堵のため息をついた。
ホントに、寸での所で我に返ったんだな。
まったくもう、Aさんてば。
赤の他人のオレを、こんなにもやきもきさせやがって。
「男はおそらく、わざとキレてごまかして、Aさんが慌てて追い縋って来るように仕向けたつもりだったんだろうけど、その作戦は見事に失敗したってワケだ」
「もしかしたら、過去にそういう手法で成功した例があったのかもしれないですね」
だけど彼女には通用しなかった、と。
我らがAさんを甘く見るんじゃないっつーの。
「Aさんは『何故そんな風に言われてしまうのか分からない。親しき仲にも礼儀ありで、決して安くはないお金を貸し借りするのだから、お互いに真摯な気持ちで臨まなくてはいけないのではないか』と切り返したらしい」
「ふんふん」
「そして『それを不満に感じるというのなら、今回の話はなかった事にさせてもらう』ときっぱりと宣言した」