ショータロー☆コンプレックス
「…オレの地元では18になったら親に金を出してもらって免許を取る、っていうのが当たり前だったんで。特に男は。田舎だから、車がなくちゃ何もできないんですよね」


そしてその時にかかった費用は普通は就職した際に返すものなんだけど、オレはいまだにしらばっくれている。


「あ。お前、こっちの人間じゃないんだ?」


「ええまぁ」


「どうりで垢抜けない野郎だと思ったよ」


失礼極まりない事を、さらりと言ってのけやがった。


だけどここまで歯に衣着せぬ言い方をされると、むしろ清々しいものを感じたりして。


目の前で正々堂々言いたい放題言いまくるって事は、相手から反撃される覚悟も当然あると言う事で、何というか、強靭な精神力の持ち主なんだろうな、と思う。


トイレットペーパーの芯のごとく、長い物には何重にもグルグルに巻かれていないと落ち着かないオレにとっては、ちょっぴり眩しい存在だったりする。


だからと言って仲良くなりたいかといったらそれはまた別の話。


男女問わず、相性が合う合わないってのはあるんだよな。


申し訳ないけど、やっぱオレはこういうタイプと接するのはすこぶる苦手だし、とてもじゃないけどお友達にはなれそうにない。


って、別に友達になってくれなんて頼まれてないけど。
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