Pleasureー自由の元姫ー
「……飛龍の面子が来るまで後…10分ってとこ?」
「そうだね。どうする?結莉」
「柚木、決まってるじゃない」
どうする?なんて、愚問だわ。
美紅のところまで近寄って、美紅の腕を引っ張れば、
「………面倒になる前に逃げる」
出口に向かって一目散に走り出した。
「っ、ちょっと!?何逃げてんの!?」
後ろから小西の叫び声がする。
あーうるさ。最後までうるさいって最悪。
「きゃ、結莉様と手を繋げるなんて…!わたくし、今なら死ねますわ!」
「結莉、僕とは繋いでくれないの?…妬けちゃうなあ」
………隣の2名もうるさい。
さっきまで機嫌が最高潮に悪かった美紅が、今では上機嫌。
喜怒哀楽激しいなー。
とりあえず、
「柚木、美紅?黙ろうか」
今は黙ってて欲しいんだけど。
にっこり、威圧感のある笑顔で言う。
これなら大人しく走るかな?
……なんて言う私の考えが浅はかだった。
「まあ、怒った結莉様も可愛いいぃぃ…っですわ!」
「怒る結莉とかレアだね。結莉はどんな時でも可愛いけどね」
誰かこのクレイジーな双子をどうにかして…!
怒ってるのに可愛いとか言われるの超不服。不快だわ。