天使な君は儚すぎる夢を僕にくれた
30分後。


冷蔵庫の中をぼんやり眺める僕がいた。


「しょうが焼き美味しかった!今度は何を作るの?」


「もう...食材ねーよ。って、一週間分の食い物食ってよくまだ腹減るよな。卵も肉も野菜も何もない。お前はブラックホールかよ」


「ごめんね、腹六文目にしとく」


「帰れよ」


「え?」


「え、じゃなくてさ」


またそんな顔で俺を見る。だが、もう騙されない。


「会社の誰に言われてここに来た?何かのばつゲームなんだろ」


「違うよ」


「じゃあ、何がしたいんだよ?意味わかんねーよ!」


強い口調に彼女は大人しく、目を伏せた。震えている。


「ごめん、言い過ぎた...」


まだ彼女は、震えている。


はぁ...マジで今日は厄日だ。


「彼女欲しいよね?」


急に彼女は口を開いた。
< 10 / 45 >

この作品をシェア

pagetop