LAST VOiCE
「おまっ!逃げんな!」

グイ

腕を何者かに引っ張られた。
視界がグラッと大きく揺れる

「きゃ..!」

倒れるよ..............っ



フワッ...

え..............?

「ったく.......何やってんだ....」

私....コイツに抱き締められてる...?///
なんで.......?!////

「....ん.......っ///」

いい匂いする....
ラベンダーの香りだ....

それに、髪の毛が当たってすごく
くすぐったい。

「.......なに赤面してんだ」

「なっ!赤面なんかしてない馬鹿!
自意識過剰!///」

「....ったく。
あ、そうそう。コレ。落としてっぞ」

コイツ...私を抱き締めた事には何も思わないの?
恥ずかしくないのか....

あ、私が女子に見えないのか....。

「落としてっぞ」
「あっごめん...」

そいつの手に広がっていたのは
美しいアメジストの宝石が埋まったネックレス。

「それ...いつのまに.....」
「大事なモンなんだろ。しっかり持っとけ」

そう言って無理矢理私の手の中に入れた。
ぎゅっと落ちない様に、外から握りしめられた。

私の手の上にそいつの手が重なる。

あったかい.....

「お前、手ぇ冷てぇな。心も冷てぇのか?」

失礼な!

「ちが..........っ!
..........」

「どうした?」

私は押し黙った。
何か言い訳しようにも、言葉が出てこない

「..........私、心冷たいからさ.........」

ボソッと呟いた独り言。

「は..........?」

そいつには聞こえたみたいだ。
なんで聞こえるんだよ←

「..........ごめんもう私行くね
ネックレスありがと。じゃね」

私は顔をそいつに見られない様に
下を向いて走った。

病院だけどそんな事知らない

・・・
アイツには悪いけど、無理矢理立ち去る事にした。

だって、泣き顔なんて誰にも見られたくないじゃん。


それに泣き顔は誰にも見せないって、
決めてるから....。
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