今宵、月が愛でる物語
ウザいガキだと思ってたのに、そのまっすぐな想いを受け止めたいと思ってから幾月過ぎたか。

無垢な瞳を手にしたくても、それが許されるわけなんてなかった。

久しぶりに見たこいつは知らぬ間に大人びていて。

でもその中にはちゃんと俺の知る無垢な彼女がいて一気に俺の恋心を爆発させる。

愛しさは早急にその瑞々しい唇を求めてしまった。



………大人なのに。



一度…二度…三度。


思わず濃く深く奪いたくなるのを堪え淡く口づける。


必死に応じる俺の恋人は、月明かりに照らされた真っ赤な顔がこの上なく可愛かった。


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