今宵、月が愛でる物語
「俺が欲しいんだろ?」
「………………!?」
聞こえたセリフにうろたえてしまい、絶句してしまう。
縋るような想いを見透かされたみたいで一気に耳が熱くなる。
それすらもお見通しとばかりにクスリと笑う千景さんは私を見つめたままこう続けた。
「俺を欲しがってる女がいるのに他の女を触ったりなんかするかよ。」
背中を撫でてくる手つきは温かくて穏やかだ。
「……………え…?」
「お前はいいの?俺が他の女を触っても。」
「………………。」
そんなの、いいわけないじゃない。
でも………だとしても、
いつまでも遊び相手では…。
「…なぁ、答え聞かせろよ。…葵。」
「……………で…も。」
「でも、何?」
「私のことなんかひとまわりも年下の小娘としか見てないでしょ?
いつまでもお遊びの相手は嫌ですから。」