インフィニティ(仮)
「待ちやがれこの野郎!!」


俺は鉄槌を振り回し雷を清十郎めがけて飛ばした…が、それも空しくかわされた。


「ちっ…。」


僕はヴィジョンを戻し、気を緩めた。

「清十郎君さっきまで味方だったのに!どうして!」


「どうしては恭の変わりようだよ…」


「…え?」


月乃は手を下げ、ヴィジョンを戻して肩の力を抜いた。


「まあ、いいわ。次は止めないわよ。」

月乃はそう言って僕らに背を向けて、背中越しに話しかけてきた。

「行くわよ。」

二人はキョトンとした顔で見合わせた。…何処に?

いや、何が?


「見なさい。」


月乃が指さした先には月が見えた。

…昼間なのにハッキリ見える。

よく見ると半分位が赤く光っている。


「あれが何?」


「全て赤く染まれば世界の終焉が訪れる。」


ラグナロクの象徴だ。

世界は確実に…そして着実に滅びに向かっている。


「あれが何か分かるでしょ?なら私達のやるべきことは決まっている。」


そうなんだ。誰もあてにならない。

「ユミルの輝石奪還よ。」


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