幼なじみ
雨音が軽快に響く凪沙の部屋


青で統一されてて落ち着く

部屋の真ん中におかれたテーブルを囲むようにして向かい合う私たち



テーブルを埋めるのは
数学の教科書
数学のワークブック
ルーズリーフ


そして
シャーペン片手に項垂れる私と呆れ顔の凪沙


「乃愛、因数分解が間違ってる。」


指摘された式をやり直す私


明後日に迫った
定期試験


赤点だったら
夏休みは補習決定の私…


数学だけは落とせない


「あー…
四則演算ができれば生きていけるのに。」


ポロっと出た言葉に凪沙が顔をしかめる


「生きていくために数学をやるんじゃないでしょ?
乃愛の夏休みの為でしょ?
やる気ないなら帰ってよ。俺だって暇じゃない。」



ごもっともな意見に私は数式に向かい合う


なんだかなぁ…


付き合ってから
なんか
凪沙が強気になってる気がする…


前は私に文句言われても、蹴られても

そのままで終わってたのに


なにか
凪沙の中で変化があったのだろうか…?
< 34 / 71 >

この作品をシェア

pagetop