幼なじみ
ファーストフードは暖かくて


冷えきった体と
空っぽの胃を温める


「お前…どんだけ腹減ってるんだよ?メガサイズをそんなにガッツく女は初めてのだわ…。」



むしゃくしゃしてる気持ちを沈めるには食べるしかない


ポテト
バーガー
ミルクティ


全てを流し込んだ


田中は憎まれ口を叩きながらも傍で笑っていてくれた


人の笑顔は救われる

初めての思った


「はぁ―!お腹いっぱい!」

お腹がいっぱいになったら不思議と笑えた


「やっと
鈴木らしくなったな?」


「え?」



「少しガサツで、ニカって笑ってるのがお前だろ。

らしくなく落ち込んでんじゃねーよ。」


コーラを勢いよく飲む田中
ストローが頑張ってるのがわかるくらい豪快


「ぷっ…!
あはは!
田中はやっぱりバカだね。」



「言ってろ。アホ。」


あんなに辛いことがあったはずなのに


なんで
田中にこんなに簡単に笑わせられちゃうんだろう

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