ハナミツ
ー悪かったって。母が亡くなった時に私をせめて暴言を言ったことを謝ってくれたんです、許してくれなくていいからって。


この目は誰を守ろうとしてるんだろう。
蓮花か?彼自身か?


「優しいんですね。綾瀬さん。それで彼女を唆したんですか?」

「……」

「彼女の母の桜さんのこと知ってるんですよね。本気で付き合ってるんですか。
彼女に都合のいい夢を見せてやってるくせに、どうせ秤にかけたら仕事をとる偽善者なのに?いざとなったら自分の夢の方が大事なくせに。」


「……。」

そうだよ。





だって子供の頃からの夢だったんだよ叶えたかったんだ。

どうしても。

自分じゃないものなら、なんでも良かったんだ。
そんな仕事があるなんて初めて知った。









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