この恋を叶えてはいけない
ポケットに手を突っ込み、さっき一緒に持ち出したものを手のひらに出した。
そこには、キラキラと光る……指輪があった。
去年のクリスマス。
貴志からもらった指輪。
(今は右手にしてて。
いつか必ず、左手にもしてやるから!)
(何それ、プロポーズ?)
(う、うるせぇっ。それを言うなっ)
顔を真っ赤にさせて、自分の言ったことで戸惑う貴志。
そんなあたふたする貴志を見るのが好きだった。
(で、でも……
絶対に空けとけよ。俺が予約したから)
(……うん)
顔を赤くしたまま、まじめな顔で言い直して
あたしもその赤い顔がうつって、お互いの頬を染めた。
あの時は、それがいつか現実になると、信じて疑わなかった。
ううん…。
一昨日まで、そう信じてた。