この恋を叶えてはいけない
「……バカみたい」
自分に吐き捨てた言葉。
何も知らずにいた自分に嫌悪して、ため息すら出てくる。
あたしは立ち上がり、指輪を握っている手を振り上げた。
「……」
だけどその手を下げる。
ダメだ…こんな位置じゃ……。
きっとここから指輪を投げたって、きっとあたしの腕力じゃ浅瀬に落ちてしまう。
もしそんなところに落ちたら……
探してしまいそうな気がして……。
再び強く握り締めると、サンダルを脱ぎ捨てた。
そのまま海へ近づき、足元に海が波打つ。
「つめた……」
暑い夏でも、急にしたたる水は冷たくて、思わず声が漏れた。