この恋を叶えてはいけない
 
「痩せたな……」

「ま、ね……。
 お腹は空くけど……食欲とか全然わかなくて……」

「だよな……分かる」


あたしの言葉に、苦笑して答える駿。


思えば、あたしと駿が再会したときは、逆の状況だったはず。


二人きりで暮らしていたお父さんが亡くなって
駿は一人きりになって……。



「なんか……
 あの時のあたし、少し無神経だったよね……」

「何が?」

「お父さんが亡くなったばかりのとき……。
 今になって、駿があの時、どれほど辛かったか、今ようやく分かった」

「……べつに。
 多分、お前が感じてるほどじゃねぇよ。
 俺の場合、父さんと二人で暮らしてたっていっても、あまり遊んでもらった記憶とかないし……」

「……そっか…」

「それに……」


駿が顔を上げる。
そしてあたしをじっと見つめた。




「お前がいたから、
 寂しいとか、悲しいとか、思う余裕なんてなかったし」




鼓動が……

トクントクンと高鳴っていく。
 
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