この恋を叶えてはいけない
 
本当に…
あたしたちはバカだった。


そんな漫画やドラマのような
兄妹で愛し合うなんてことを現実にしようとして……


そんなこと

認められるわけないのに……。


簡単なことじゃないのに……。




溢れてくるのは

お母さんが亡くなった日よりも
止め処なく流れ落ちる涙。



今日この日、
あたしは駿と、ただの兄妹に戻るということを決めていたから……。



あたしを抱きしめる駿の腕の強さが
必死に駿もあたしの決断を受け止めようとしているようで……



ただ今だけは……

諦めるその瞬間までは……



この腕に…

この温もりに……



包まれていたいと

そう願った。
 
 
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