この恋を叶えてはいけない
「じゃあ、電気消します」
「おう」
時間が0時を回る頃、電気を消した。
途端に訪れる静寂。
すごいドキドキする……。
駿といたときとは違う、べつの高鳴り。
男の人が自分の部屋で寝ているというだけで、うるさいくらいに心臓がドキドキした。
寝返りをうつのすら緊張して
壁を向いたまま振り向けない。
その時……
「……はっくしょんっ!!」
後ろから、戸村さんのくしゃみの声。
鼻もズルズルと言っている。