この恋を叶えてはいけない
 
一緒のベッドに入る瞬間が、一番ドキドキする。


決して何かをされるわけではないけど、
腕枕は当たり前で、もう片方で包み込むようにあたしを抱きしめる。


安定した位置を取ると、あたしの髪をかきわけ



「おやすみ」



と言って、おでこにキスを落とす。



これだけ。

これ以上のことはされないし、していいかとも聞かれない。



それは安心することでもあるし、
女としてそんな魅力がないのか…と落ち込む部分でもあるし

なんとも言えない複雑な気持ち。



だけど気持ちに応えてもない人と一緒のベッドで眠るあたしは、
本当に最低で尻軽な女なのかも……と思うところもあって、


早くこの人を好きにならなくちゃ。


と言い聞かせている部分もあった。
 
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