この恋を叶えてはいけない
 
「あーつかれたぁ……」
「陵、おっさんになってるよ」
「うるせー。ずっとパソコンに向かってると疲れるんや」


会社を出てしまえば、陵のオジサン度は増す。

別に彼の場合、特別会社でつくっているわけでもないので、この姿を見られたとしても何もないけど……。


「夕飯どうする?
 何か食ってく?」

「んー…。なんか疲れたから、コンビニで何か買おう」

「はいよ」


いつもは早く帰るあたしが、何かしらを作っている。

だけどこんなふうに帰りが遅い日は、さすがに用意するのはだるくて、食べて帰ったりお弁当を買って帰るのだ。


「まー今日が金曜でえかったわ」
「そうだねー」
「だって、今から帰って、飯食って、風呂入ってー……なんてしてたら、エッチするのは1時過ぎるやん」
「ちょっと!!」
「さすがにそれで、明日早く起きるのは辛いところやったわ」
「……」


お願いだから、こんな道の往来で、そんな発言をするのはやめてくれ……。

道行く人が、頬を染めながら過ぎ去っていく。


「今日はしない。
 ご飯食べたらすぐ寝る」

「あ、風呂なしのエッチか」

「違う!」


まったくもう…
この人は……。
 
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