この恋を叶えてはいけない
「あれ?」
マンションについて、エレベーターを上がると、いつもと違う光景に気づいた。
「お隣さん、入ったんだね」
「ん?あ、ほんまやなぁ」
いつも、ドアのところには、水道ガス等の案内が入っている袋がぶらさがっている。
だけど今見ると、そこには何もなくなっていて……
「どんな人が入ったのかな?」
「さてなー。
なんなら、引っ越しの挨拶行ってみる?」
「そういうのは、引っ越してきた相手がするものでしょ」
「じゃー、そのうち来るんとちゃう?」
気になっているあたしとは裏腹に、陵はあまり興味なさそうで、じっと隣の部屋のドアを見ているあたしをよそに、さっさと鍵を開けていた。
あたしの気になりの願いが叶ったのか、隣の部屋からもカチャリと鍵が開く音が聞こえる。
思わず中に入ろうとした足を止めて、じっと見つめていた。
だけどそこから現れた人物に
呼吸をするのも忘れるほどあたしは目を見開いた。
「な、んで……」
「え?……!?」
相手もあたしと同じように、目が合った瞬間固まってしまい……
「駿……」
そこにいたのは、駿だった。