この恋を叶えてはいけない
「ん?ん?知り合いなん?」
陵一人、意味が分かっていなくて、
お互いに固まってしまうあたしたちを交互に見ている。
あたしも忙しなく高鳴る鼓動をなんとか抑え、平静を装って陵を見上げた。
「あ、…っと……
彼は……大沢駿と言って……」
次の言葉に、少なからずためらってしまう自分がいる。
カラカラに乾いてしまっている喉から、絞り出すように声を張ると……
「あたしのお兄ちゃん…です」
「え!?」
突然の兄の現れに、陵は当然驚いた顔をする。
だけどね、多分陵以上に
あたしと駿のほうが驚いてる。
「お兄ちゃんって……
たしか唯一の肉親の?」
「……うん」
軽く話していた駿の存在。
いつか打ち明けたときに、変に思われないように兄がいることだけは話していた。