この恋を叶えてはいけない
「……とりあえず、入れば」
「うん……」
結局、このまま外にいるわけにもいかないので、あたしは駿に促されるまま、部屋に上げてもらうことにした。
入った部屋は、引っ越したばかりということもあって、段ボールだらけ。
いくつかの箱は開けられているものの、とりあえず、ベッドだけは確保されているくらいだった。
「あ、でもほんとに上がって平気?
片づけまだまだするんじゃないの?」
「いや、今日はもうする気はねぇよ。
明日明後日でやるつもり」
「そっか」
そう言って、駿は冷蔵庫に入っていた缶コーヒーを渡してきた。
遠慮なくそれを受け取ると、ベッドを背もたれに腰をかけた。
「でもほんと……ビックリだねっ!
まさか隣に引っ越してくるとはさっ……」
「ああ。……ってことは、お前もやっぱり一緒に住んでるんだ?」
「え、あ……う、ん……」
「そっか。
てっきり、まだあのアパートに住んでるのかと思ってたから、予想もしてなかったよ」
「ごめん……教えてなくて……」
駿には、あたしが陵と同棲していることを話していなかった。
というより、言えなかったんだと思う。
男の人と同棲していることを……。