この恋を叶えてはいけない
4年前の時もあった。
それは部屋の扉だったけど、
こんなふうに大雨の荒れた日のことだった。
あの扉の向こうにたたずむ影。
玄関を叩いている人。
立ち上がり、玄関へと向かった。
そっと扉に手を触れた瞬間、それが向こうに伝わったのかは分からない。
ずっとノックだけだった音とともに、静かな声が添えられた。
「唯香……?」
「……」
その声は、あたしの大好きな声。
きっと……
今でも……
世界で一番安心する声……。
「駿……」
「唯香、大丈夫か?」
心配そうな声。
駿はあたしが雷が苦手なのを知っている。
停電になってしまった今、きっと心配して来てくれたんだ……。