この恋を叶えてはいけない
 
気まずさは消えなくて、無言の帰り道。

長かったような短かったような道のりを経て、家に着いた。


「ここ、だから」


着いた場所は、決して綺麗と言えるような場所ではない。

築20年の古びたアパート。
それでも、お母さんと暮らすこの家は、あたしにとって何不自由のない家だった。


「じゃあ……
 送ってくれてありがと」


これ以上傍にいても、持ってはいけない感情が膨らんでいくばかり。

あたしは俯いたまま一言告げると、アパートの階段に足をかけた。



「………嫉妬、したんだよ」

「え……?」


ずっと黙ったままだった駿の口が突然開く。

何のことなのか分からなくて、目を合わさずにいた視線を絡ませてしまう。
 


「三沢に……

 ベタベタ唯香に触れる三沢に嫉妬した。


 だから邪魔した」


 
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