この恋を叶えてはいけない

「……駿の家は…どんな感じなの?」


すぐに何も話さず帰ってしまうのが嫌で、話題をふってしまう。
駿もとくにめんどくさそうな顔をせずに、言葉を返してくれた。


「普通のマンション。
 親父が購入したもんだから、もう俺の好き勝手できる」

「そうなんだ」


きっとここが、女と男の稼ぎの違いなのかもしれない。

そもそも、お父さんがどんな仕事をしているのかも知らなかった。


「今度、駿の家にも行ってみたいな」
「…そのうちな」


もちろん、その言葉は妹として。
深い意味なんてない。

なんて、心の中で言い訳をしている時点で、深い意味を考えているも同然だ。



「さっきの……」
「え?」


話が途切れたところで、駿が何かを切り出した。


「母さんが言ってた言葉」
「お母さんの?」
「恨んだりしたことないって」
「あ、うん……」



「もしかしたら今は

 恨んでるかもしれない」
 
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