俺様副社長に捕まりました。
「俺の家政婦はお前以外いないんだよ!」
「・・・・水沢さん」
驚く私を無視するかのように水沢さんは言葉を続けた。
「お前が作るご飯以外食いたくないし、お前が洗濯してアイロンがけした
シャツしか着たくないし、お前が掃除してくれた部屋じゃないとくつろげないし
お前がベッドメイクしたベッドじゃないと・・・寝たくないんだ。
お前以外の誰にもこの部屋も俺の世話もしてもらいたくねーんだよ。
だからこんな状態になってんの」
顔を真っ赤にしながら言ってる水沢さんはだだをこねてる男の子にしか思えない。
だけど悔しいかな彼に必要とされていることに嬉しいと思う気持ちもあったりして
不覚にもドキドキが止まんなくなっている。
水沢さんはダイニングチェアにどかっと座ると私を見上げた。
そして私に近くまで来いと手招きをしてきた。
そして見上げたまま私の手を取るとギュッと握り締めた。
「お前・・自分を下等評価して俺とは住む世界が違うとか
ふさわしくないとか言ってるけど・・・・
お前がこの家で栄養のバランスのとれた食事を作ってくれて、シャツに綺麗に
アイロンがけをしてくれて・・・いつ帰ってきても気持ち良いキレイな部屋で
綺麗にベッドメイクしてくれたベッドに寝れたおかげで俺は仕事も頑張れたし
成果を上げることができたんだ。お前がいたから・・・それなのに周りが許さないだとか
勝手に決め込んで・・・・なんで俺に相談しねーんだよ。
そんなに俺たよりねーのか?いい人に見られたい?そんなのな・・・みんな
そう思ってるよ。お前だけじゃない。俺だってお前によく見られたいってカッコつけてたよ。」
「水沢さん・・・・」
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