俺様副社長に捕まりました。
そしてその沈黙を破ったのは未来だった
「ごめん・・・桃は桃なりに考えて決断したんだね。でもね・・・桃見てると
全然吹っ切れてないのがわかるんだよ。桃は元気なフリしてるかも
しれないけど私にはわかる。・・・・悔しいのよ。なんで友達なのに
一番辛い時に頼ってくれなかったのかって・・・・」

「ごめん・・・未来」
それ以上の言葉が見つからなかった。
それからまた未来は何かを言おうかどうか悩んでいるようだった。
「未来?」
私が名前を呼ぶと
意を決したようにお茶をぐっと飲んで私に視線を戻した。

「あのね・・・・ここ数ヶ月、水沢副社長の様子がおかしいのよ」
「え?」
なんで未来がこのタイミングで水沢さんの事を言うのかわからなかった。
だって未来は何も知らないはず・・・
「私が副社長の秘書になった頃の副社長って前にも増して本当に無駄のない動きで淡々と仕事をこなしていたの。
自分のスケジュール管理も私に頼ることなく把握してて・・・秘書なんか必要ないんじゃないかってね。
私が妊娠しちゃったのもあったからかなーって思ってたんだけど・・・・4ヶ月くらい前からかな~
心ここにあらずというか、時々ね・・・何か思いつめている感じで・・・スケジュール管理も
完全に私主導になってしまって・・・・」
それって私がいなくなってから?
「それで、あれは1ヶ月くらい前かな~急に副社長が桃の名前を出したの」
「私?」
その途端緊張が走った。
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