君と僕等を、繋ぐ線。










「・・・・・・・・・・・・・・・・何涙目になってんの?? ・・・・・・・・・・・・・あぁ、秋のブログを見せれば、簡単にオレがまた歌い出すとでも思ってたんだろ。 残念だったね。 お手柄逃しちゃって」








どうして素直に『ありがとう』と言えないのだろう。








畑田は、オレやマネージャーが血眼になって探しても見つからなかった、秋の言葉を見つけてくれた。








畑田だって、容易に発見出来たわけではないだろう。







苦労して探してくれただろうに。







分かっているのに。













オレはきっと、秋が最後にどんな言葉を残そうとも、歌を歌う事は出来なかったと思う。







秋に申し訳なくて。








本当は歌を歌いたい。








でも、誰かに背中を押して欲しかったわけじゃないんだ。








歌いたいけど歌えない。 だから、これ以上歌いたい気持ちを膨らませて欲しくなかった。







だから、畑田に苛立ち当たってしまうんだ。
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