君と僕等を、繋ぐ線。










「~~~~~~~~~だーかーらー。 秋は、桜沢悠斗に歌い続けて欲しいと願いながら死んだワケでしょ?? 秋はさ、知らない誰かにこの願いを託したワケではないかもしれないけれど、でも想いは残したかったワケじゃん。 で、3年かかって畑田さんに届いた。 畑田さんがどうにかしなきゃ、秋の願いは叶わない」







答えを導き出せないワタシに、北村さんが解答。







・・・・・・・・・・・・・・・そう言われましても。







「北村さんにも届いたじゃないですか。 ワタシ経由で」








だって、ワタシの力ではどうにもならない。







現に、どうにもならなかったし。







北村さんの協力を仰ぐ。








「・・・・・・・・・・・・・・ホントに畑田さんはアホだよね。 自分1人の力で桜沢悠斗を歌わせる事が出来たら相当な手柄なのに。 ・・・・・・・・・・・・・まぁ、一応センパイだから手伝うけどね。 畑田さんとは違うオレの目線で秋の資料見たら、また違う発見があるかもしれないし」








何だかんだ優しい北村さんが、ワタシのデスクの上に積まれていた秋の資料ファイルをパラパラと捲った。








「散々ワタシのフォローしてくれたんだから、万が一桜沢悠斗が歌う事があったとしても、ワタシだけの手柄のワケないじゃないですか。 そもそも、手柄とかどうでも良いんですけど。 ただ単に、桜沢悠斗の歌が聞きたいだけですもん」








北村さんが秋の資料を読み始めた為、自分がやらないワケにもいかず、頬杖をつきながらパソコンに保存された秋の情報を眺めた。








「徹夜までして探し当てた後輩の手柄を恵んで欲しいと思う程、オレはダサい人間じゃないっつーの」








『ちょっと集中するから黙ってて』と、ワタシが見落としたであろう何かを見つけ出そうとしてくれる北村さんが先輩で、本当に良かったと思った。
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