最後の恋にしたいから
二年間という月日をアッサリと捨てられ、本当なら立ち直るにはまだまだなはず。

だけど、あまりにも呆気ない終わりだったこともあって、本当に寿人と別れた感じがしない瞬間があるのも本当だ。

その上、課長からは付き合おうとか言われ、本当に頭の中はパニック状態。

失恋を悲しむヒマがない。

「名越課長、いってらっしゃい」

ふと聞こえた一課の女子社員の声に反応する。

今までなら気付かなかったのに、やっぱり意識しているみたいだ。

どうやら、課長は外回りに行くらしい。

「いってきます」

と愛想良く挨拶した彼は、足早にオフィスを出て行った。

私の方には、見向きもしなかったな……。

さっき会議室で言われたことは、実は夢でも見てたんじゃないかと思いたくなる。

外回りってことは、今日は遅くなるかもしれないんだよね……。
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