ぺピン
「来週の水曜日に都の面倒を見てくれるって?

わかってるわよ、じゃ」

京香がスマートフォンを耳から離した。

恭汰と京香の視線がぶつかった。

視線がぶつかったことに一瞬ギョッとなった京香だったが、 すぐに恭汰のところへ歩み寄ってきた。

「先輩、来週の水曜日は大丈夫です」

そう言った京香に、
「…今、誰と話をしていたんだ?」

恭汰は質問した。

京香は訳がわからないと言う顔をすると、
「どうして電話の相手を先輩に教えないといけないのですか?」
と、聞き返してきた。

「いや、その…宛てがあったんだなって思って」

呟くように答えた恭汰に、
「娘を1人に、それも家へ置いて出かけるほど、私はバカじゃありません。

少なくとも母親としての自覚がある方だと、私は思っています」

京香は言い返した。
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