ぺピン
「私は仕事と育児を上手に両立させています。

先輩が口出しする必要なんてありませんから」

「く、口出しなんてそんな…。

俺は上杉さんのことを心配して…」

反論しようとした恭汰に、
「人の心配をするよりも、自分の心配をした方がいいんじゃないですか?」

京香がさえぎった。

それから耳元に口を寄せると、
「先輩って、結構あきらめが悪い人だったんですね」

恭汰にしか聞こえない声で、京香はささやいた。

「――ッ…!?」

京香の顔に視線を向けると、彼女は勝ち誇ったと言うように笑っていた。

(あの頃と全然変わっていない…)

恭汰の心の中に気づいているのかいないのか、
「私は今でも、亡くなった夫のことを深く愛しています」

京香はそう言うと、その場から立ち去った。
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