ぺピン
京香の後ろ姿が見えなくなっても、恭汰はその場から動くことができなかった。

――先輩って、結構あきらめが悪い人だったんですね

そうささやいた京香の言葉が頭から離れられなかった。

(俺が上杉さんのことを忘れて、他の女とつきあえばいいのだろうか…?)

一瞬だけ思ったけど、無理だったことを思い出した。

京香以外の女の子とつきあっても忘れることもできなければ、あきらめることもできなかった。

心のどこかで京香と彼女を比べては、別れると言うのが当たり前だった。

「ああ、もう昼休みが終わるな…」

恭汰は呟くと、目の前のコンビニに足を向かわせた。

パンと紙パックのココアを持ってレジで待っている間、恭汰は先輩に送るメールを作成した。
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