ぺピン
『歓迎会の件なんですけど、上杉さんは来週の水曜日なら都合がいいそうです』

作成した後、画面を指でタップしてメールを送信した。


その日の夜のことだった。

「へえ、そんなヤツがいたのか」

笑いながら言った目の前の男に、
「10年も経ったから忘れてるのかと思いきや、まだ私のことを忘れていないみたい」

京香はハーブティーを口に含んだ。

都を寝かしつけた後、眠くなるまでの時間を過ごすのだ。

「京香もモテたもんだな」

そう言った男に、
「こっちとしては迷惑だわ」

京香はやれやれと言うように息を吐いた。

「まあ、そうだよな。

京香が昔から思っているのは、兄貴ただ1人だけだもんな」

男はそっと息を吐いた。
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