サイコーに幸せなお姫様。



ツッチーはその後。何もなかったように接してくれたから私も普通に接した。



ごめんね……



いつかは言わなきゃいけないことなのにね。



ツッチーの夢……私は叶えてあげられないんだよ。



「今日は俺が皿洗うから」


「……ありがとう」



私が事故に遭ってからツッチーは家事を協力してくれている。かなり助かるけど……



グラスに水をたくさん注いで私の目の前に持ってくる。



「はい。薬ちゃんと飲めよ」



今はそんな優しさが苦しい。薬袋から錠剤を取り出して手の平にのせる。



その錠剤の塊を見てむなしくなってしまった。



私……なんでこんな薬飲まないと生活できないんだろ。



私を助けてくれるはずの薬が……



一一私を苦しめる。



一気に薬を飲み干してからバスルームに行ってツッチーに見られないところで涙を流した。



「ごめん……ごめっ……」



あんなに私のこと想ってくれる人に本当のことも言えないなんて……



やりきれない喪失感でいっぱいだった。





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