別冊☆海宝堂*短編集*
彼が戻ってきたのは驚くべき事に、翌日だった。

「ちょいと、早ぇえか?」

それはまだ店の開く前、調度夕日が沈む時間だった。

彼は部屋に入ると同時に私をベッドに抑えつけた。


目の前が赤い。

夕日が、まるで1枚の絵画の様に海に沈んで行くのが見える。

彼は後ろで独りよがりな行為に夢中になっている。
その顔が目の前にあれば、睨みつけて、突き飛ばして、口汚く罵ってやるのに・・・。


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