第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
「...臭い。」

「そう言えば俺昨日寝落ちしたんだったな...。」

「えぇ!?セルリア汚いッ!!アタシ着替えてくるッ!!!!」


アヴァンが嵐のように宿へと走って行った。
汚いって言うなよ...ちょっと傷付くだろ。


「違う...。」


ディーブは多分俺の言葉に対しての否定を告げる。


「違うって何がだよ?」

「彼(シヴァル)、村人と何話してたか知らないけど...凄く酔ってた。」

「?...酒にか?」

「違うよ。セルリアは絶望的に馬鹿だよね。」


其の言葉は余計だ...。


「多分...自分に...」

「何で其処が“多分”なんだよ。」

「仕方無いでしょ、会話が聞こえなかったんだから。」

「解ったから怒んなよ。」


だが、ディーブがそんな事を言うと言う事は、ギフトの言っていた事は“真実”なのか。
ギフトを疑っているわけでは無いが、俺としてはこっち(ブルーム村)に来て1日足らずなのだ。
解らない事が多過ぎて全部が全部信じられない。

しかし...「殺す」と言う事に一切の抵抗は感じない。
< 145 / 277 >

この作品をシェア

pagetop