イケメン同期に素顔を見抜かれました



車は私の住む隣の県へ入り、しばらくすると駐車場へと入っていった。

「ここって、バッティングセンター?」

車から降りると、少しだけ年季の入ったバッティングセンターが目の前に立っていた。

「そ。俺が高校時代まで通ってた場所」

「有村、この町出身なんだ?」

少しだけ、聞いたことがある。

野球少年だった有村は、中・高と野球部で汗を流していたこと。

高校野球の県大会では惜しくも準決勝で敗退してしまったこと。

「崎坂、ソフト部だったんだろ? だから今日は一緒に体動かそうかと思って」

軽く素振りのポーズを取る姿は、私の返事をきっと待ってはいないだろう。

「イヤって言っても行くんでしょ?」

「バレた?」

「アンタのやる気マンマンな姿見てイヤって断れる程、私も神経図太くないんで」




口では嫌そうなことを言っていたけど、正直、ちょっとワクワクしていた。

バット握るなんて何年ぶり?

部活引退してからは触っていない気がする。

ちょっとワクワクしているのが顔に出ていたのか、横で小さく有村の笑い声が聞こえてきた。




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