イケメン同期に素顔を見抜かれました



お姉ちゃんが部屋を出た後。

有村に連絡を取ろうと、大きく深呼吸をして手に取ったスマホが突然震えだした。




『昨日はありがとう。今日彼と会えたよ』




紗希からのそんなメッセージに添付されていたのは、キレイに飾られたクリスマスツリー。

昨日会えなかった彼氏と会えたようで、文面からも紗希の楽しそうな様子がうかがえる。

私も紗希みたいに、好きな人と笑いあいたい。

お姉ちゃんみたいに、気持ちをちゃんと打ち明けたい。

込み上げてきた想いに素直になろうと決意をして、一度画面を閉じようと思った時だった。




「これって、有村……?」




クリスマスツリーの写真の右下に、小さく写るふたりの男女。

女の人が男の人の首元に手を回して、キスをせがんでいるように見える。

せがまれている男の人の顔。

少し小さいけれど、間違えるはずもない。

紛れもなく、有村だ。




「なんだ。私のこと好きって言っておきながら、結局真理ちゃんとキスなんてしてるんじゃない」

自分の口から洩れたのは、乾いた笑い。






私は、素直になることを諦めた。









< 38 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop